巻組とガイアックスが資本業務提携で合意-東北で「空き家を活用したシェアハウス」の普及拡大を目指す- 地方における「単身者向け住まいの多様化」と「空き家の有効利用」に貢献

まとめ
宮城県石巻市を本拠とし、空き家活用を通じて地域に多様なライフスタイルの創出を目指す株式会社巻組(まきぐみ/本社:宮城県石巻市、代表取締役:渡邊享子)は、このたび株式会社ガイアックス(本社:東京都千代田区、代表執行役社長:上田祐司、証券コード:3775)と資本業務提携を行うことで基本合意しました。
これにより当社は、これまで石巻市内を中心に展開してきた「空き家を改修したシェアハウス」の運営事業を近隣地域へ、さらには東北各地へと拡大し、都市部と比べて地方に少ない「単身者向け住まいの選択肢」を増やすことを目指します。
なお、資本提携に先立ち、巻組は従来合同会社であった組織を変更し、2021年5月31日をもって株式会社へ移行しました。

【提携の背景】
コロナ禍によるリモートワークの進展でライフスタイルが多様化し、地方移住や二地域居住への関心が高まっています。しかし地方では空き家の数が増えていく一方、実際に暮らせる賃貸住宅、特に若年単身者向け住宅の選択肢は非常に限られている場合が少なくありません。

東日本大震災後の2015年に石巻市で設立された巻組は、市内の空き家を活用し、当時現地ではまだ馴染みの薄かったシェアハウスを運営することで、地域にやってくる多様な若者たちに一般的な賃貸住宅に代わる住まい方のオプションを提供してきました。

当社は、このシェアハウスという住まいの形態をより地方に普及させ、地方の単身者向け住まいの多様化、および増え続ける空き家の有効活用に貢献したいと考えていたところ、シェアリングエコノミーの普及を推進するガイアックス社のご賛同をいただき、今回の提携合意に至ったものです。同社の資本支援を受けて巻組は、資産価値の低い戸建て物件を取得してシェアハウスに改修・自社運用する事業を、今年7月からまず仙台市近郊で開始し、その後東北各地で展開していく計画です。

【巻組の実績】
設立以来巻組が特化してきたのは、「資産価値がゼロに近い空き家(=立地条件等が悪く、一般には売買も賃貸も難しい築古物件)」の再生です。古いことを逆手にとって借り手による内装変更の自由度を高めるなど、イノベーティブな発想でこれまで石巻市内外の約40軒を改修。多額の費用をかけずとも活用できるノウハウを蓄積してきました。そのうち10軒を、それぞれに個性的なシェアハウスやゲストハウスなどとして自社で運営しています。

これらの入居者は、起業家やフリーランス、アーティスト、外国人など、既存の価値観にとらわれず自分らしいライフスタイルを追求する人々が中心です。こうした層は、特に地方では家賃回収リスクに保守的な態度の家主が多いこともあり、一般の不動産を借りにくい状況にありますが、当社ではむしろ積極的に誘致し、独自の入居審査を経てご利用いただいています(利用者数延べ約100人)。このような、シェアハウスならではの居住者コミュニティ形成およびマネジメントのノウハウを、今後の事業にも大いに生かしてまいります。

<参考:巻組のこれまでのプロジェクト例>
「OGAWA」は、築約70年の店舗併設住宅を改装したシェアハウスです。施工はユーザー参加型で行い、2020年10月にオープンしました。

コミュニティスペースコミュニティスペース

ワークスペースワークスペース

▶株式会社巻組 代表取締役 渡邊享子のコメント

巻組は、2011年の東日本大震災で甚大な被害をうけた宮城県石巻市において震災後の住宅難を解決すべく、空き家の活用を行ってきました。しかし、震災後10年が経過したいま、事業の対象を石巻市内への移住者以外にも拡大していく時期に来ています。
一方、日本の住宅市場には根深い構造問題があります。いまや850万戸といわれる空き家が存在するのに、新築住宅の供給は止まらない。一方で現状の不動産市場の仕組みでは住まいを得るのが難しい人がたくさんいる。私たちが培った事業モデルは、こうした矛盾の解決にも貢献できるはずです。
この考えに共感いただき、ご支援いただくこととなったガイアックス様は、シェアリングエコノミーの推進に尽力されています。同社のご協力を得て、私たちは今後、無価値な資産から価値を生み出し、多様でサステナブルな住まいやライフスタイルをつくる事業を、さらに広域で展開してまいります。
(渡邊享子/1987年 埼玉県生まれ。プロフィール詳細:https://makigumi.org/about/

▶株式会社ガイアックス 代表執行役社長 上田祐司様のコメント

巻組様の過去の取り組み、特に被災地における住宅供給という社会的使命を背負い、実直に創意工夫を繰り返し、リーズナブルな価格で人と人がつながる形のシェアハウスやゲストハウスを供給されていることが非常に素晴らしいと感じました。
このような取り組みは今後、被災地に留まらず、広い地域の方々に喜んでいただけるのではないか、との渡邊社長のお考えに基づき、各地へ事業を拡張されようとしているこのタイミングで、ガイアックスとして資本提携を決定いたしました。意義ある巻組様の事業に一部参画させていただけることを非常に嬉しく思うとともに、これから日本全国の地方でシェアリングエコノミー活用を進めるにあたり、「住」という分野でのコアな事業になることを期待しております。

まとめ
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